ファゼンダ通信 vol.13

      ファゼンダ通信vol.13

 2013年のこの夏の猛暑ぶりはおそらくみなさんの記憶に残る暑い夏になるでしょう。うちのブドウも強い日差しと高温で熟する前の7月に袋の中で房ごと干しブドウのように干からびてしまった房がかなりみうけられました。就農12年目にして初めての経験でした。まったく、このファゼンダ通信で作物の出来栄えをご報告する際に、毎年のように大雨、日照り、高温、低温と、いろいろな成長を阻害する一因を毎年のように話しています。今年も改めて果物作りの難しさを感じる年になっている次第です。

 
 今回は「平和」についてお話したいと思います。私が大学生の頃から続けていることですが、毎年8月の終戦記念日の前後に岩波文庫の「きけわだつみのこえ」を少しずつ読んでいます。戦没された大学生の手記をまとめたこの本、当時彼らが学生として生きることを謳歌したかったにもかかわらず、戦場に送られて、「死」と直面しなければならなかった思いが赤裸々に描かれており、平和な時代に生まれ育ったことに改めて「ありがたみ」を感じる次第です。
 それから、アンパンマンの作者である、やなせたかし氏。氏の弟は、先の大戦で戦死されていますが、その弟さんを思ってか、氏が作詞した「アンパンマンのマーチ」や「手のひらを太陽に」に平和に生きることに強いメッセージが込められています。

 そうだ うれしいんだ 生きる 喜び たとえ 胸の傷がいたんでも
 何のために 生まれて 何をして 生きるのか
 応えられないなんて そんなのはイヤだ
 今を生きることで 熱い心 燃える だから行くんだ 微笑   んで
 そうだうれしいんだ 生きる喜び たとえ 胸の傷が痛んでも
 ああ アンパンマンやさしい君は 行け!みんなの夢 守るため 
              (アンパンマンのマーチより)

 東日本大震災の直後にはラジオ番組で、この曲がよくリクエストされたそうです。このごろ平和についていろいろと考えさせるニュースがたくさん出ています。なにも国同士が武器を使って殺しあうことだけが戦争ではありません。まずは身近な家族や友人を大事にして思いやることが平和の一歩ではないでしょうか?この点については、自分も大いに悔い改めていかなければと思う次第です。