ファゼンダ通信11

 ファゼンダ通信11

 2012年秋、今年は秋の涼しさの進み具合が早く感じられます。それに合わせて柿の実もだんだん大きく、そして色付きも黄色から朱色へとだんだん濃くなってきています。
 
 今年の柿の生育状況ですが、凶作だった昨年とは逆に豊作の模様です。ただ園主である自分からしてみれば、9月にブドウの収穫作業に追われて柿園の「除草」や「薬剤散布」や枝が実の重さで折れないように支える「枝吊り」の管理作業が思うように進まず、100%の出来栄えとはいえないちょっと悔いが残るところがあります。玉太りや色付きが例年になくよく進んでいる今年だからこそ、余計にそう感じさせられます。
 ですから豊作の今年は、10キロの自家用柿がお薦めです。ご近所に「少々キズものですが」と「おすそ分け」して一人でも多くの人に「秋の実り」を感じていただければありがたいです。

 
 先日、自分の子どもの通う小学校の「フルーツコンサート」という催しで、小学生全員が「ふるさと」を合唱していました校庭で歌っていたのですが秋の青くて高い空とマッチしてとても感慨深く聞き入っていました。
 実は子どもが歌うふるさとを聞いて感動したのは今回で二度目でした。一度目は学生時代に滞在したブラジルで日系の子どもたちが歌う「ふるさと」でした。」現地の日系社会も3世あたりの世代になると日本語を日常で使う機会がなくなります。そこで歌っている子どもに聞いたら、「おじいちゃんやおばあちゃんに教えてもらった」と言っていました。
新規就農した自分が言うのも口はばったいのですが、新しい土地で一から田畑を耕すのはかなりの辛苦があります。ましてコンビニもケイタイも重機もない当時のブラジルに渡って開拓した人たちが、自分の孫に母国の歌やふるさとをどんな思いで伝えたのかと思うと目頭が熱くなる思いです。
 それから話はかわりますが、今まで知り合った外国人と懇意になると、必ずといつていいほどふるさとのことを聞かされ、また「おまえの故郷はどんなところか?」と尋ねられます。自分は多感な少年時代を福岡で過ごしたのですが、「海と山が近くて食べ物がおいしくて、人なつっこい人が多くて弱いけどとても人気のあるプロ野球チームのあるところだよ。と言っていました。(当時のホークスは今と違って弱かった)
人に誇れるふるさとがあるということはすごく嬉しくてありがたいことと思います。みなさんんの故郷はどんなふうに素敵なところですか?