ファゼンダ通信

           ファゼンダ通
                                         第9号
 この「ファゼンダ通信」なる読み物は、園主の思いをつづって、ブドウや柿を宅配にてご注文してくださるお客様に、ダイレクトメールにて配布しておりましたが、今号から広く読んでもらえるようにブログにても投稿することに至りました。いつまで続くかわかりませんが、私の乱文に付き合って下されば幸いです。
 今年の、果物の作柄ははっきり言って、最悪と言わざるをえません。桃もブドウも柿も収穫を目前にして病気により枝から落下してしまいました。一番の原因は園主の果樹に対するケア(手入れ)不足、二番目には高温多雨の気候が災いしたことでしょうか。
 このところの週末はいつも雨ばかり。しかし平日は、たまにきれいな秋の空に恵まれる日があります。「青い空にオレンジの柿の実」なんかつい童謡の「里の秋」を口ずさみたくなります。
 「里の秋」って戦地に出征した父を待ちわびる母と子の歌というのをつい最近ラジオで知りました。二番目の歌詞に「どうぞご無事で」という言葉がありました。囲炉裏端で栗の実、煮ながらどんな思いで秋を感じ取っていたのでしょうか。
 話はそれますが童謡には今のジェイポップにない心に染みいる歌詞が多いです。「あめふり」には雨の中、お母さんと家路への帰り道に樹の下で雨にぬれて泣いている女の子に傘を差し出す歌ですし、「シャボン玉」は「生まれてすぐに壊れて消えた」「風、風吹くな、シャボン玉飛ばそう」という歌詞の中に出産後すぐに亡くなった自分の子どもへの思いを作詞者の野口雨情がつづったものです。
 これからは一層秋が深まり、柿の葉が落ち、実のオレンジが濃くなりモズの高泣きが聞こえてくれば、富有柿の収穫がピークを迎えます。
この頃、メディアでは「ティピイピイー」と鳥の鳴き声にしてはかわいらしくない言葉を耳にします。「賛成か反対か?」、「今後の農業の行方は?」自分なりに情報を集めて分析している最中です。